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佐野洋子「シズコさん」

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佐野洋子の「100万回生きたねこ」という童話はいつか手元に揃えておきたい本だ。
本屋で立ち読みしたり、教育テレビで朗読していたのを聞いたりしてだいたいのストーリーは知っているのだ。
何回も何回もむごたらしく死んでいく猫だが何度でも生き返って懲りずに死んでいく。
最後にもう生き返らなくてもよいと納得していくのだが、そのへんのくだりにいたく共鳴する。
人間って(いや、猫か)一番大切なのはやはりそのあたりだ。

今回、介護の絡みで「シズコさん」という本を読んでみた。シズコさんとは洋子さんのお母さんの名である。
4歳の時におかあさんと手をつなごうと差し出した手を「ちっ」と払いのけたというおかあさんである。
どんなひどいお母さんなのだろうと楽しみに読んでみたが、おもしろいお母さんだった。
「ちっ」と払いのけるなんて解りやすくていいではないか。それにすごい生命力のようなものも感じた。

それよりも、7人いた兄弟が3人もばたばたと死んでいったということのほうが、私の産まれた頃の時代の出来事ではあるが、そういうことは昔は普通だったのだということに改めて感慨を受けた。
特に洋子さんがお世話係を務めていた2歳の弟が、オタマジャクシをうれしそうにとって喜んでいた2日後にはもう冷たい屍になってた、なんていう下りは、元気にじゃれていた子猫が夕方には冷たい屍となる、という経験など思い出してしまう。
人の命というのはしぶといけど、あっけなくもあるのだ。
19才で家族4人が死に、それも昔のことゆえみな自宅で死んでいる。
死というものが身近にあった時代だった。

佐野洋子はたくましい人だ。
知人にtotiさんって佐野洋子に似てない?なんて云われたこともあるが、私はこんなにたくましくもないし、頭もよくない。ただ、物事をズバズバ遠慮なく云うという部分だけ少し似ているかもしれない。
by daikatoti | 2010-10-25 06:39 | 日々のこと | Comments(14)
Commented by new-kero at 2010-10-25 09:29
昔幼いころ、父方の本家へ行ったら広~い家の奥の座敷にお婆さんが寝ていて、
今から思えば老衰でそろそろ・・・という感じの状態だったと思うのですが
その薄暗くジメジメした感じ、かすかなにおい、横たわる痩せこけたお婆さん
という状況に怖くて泣きだしてしまった思い出が。キョーレツな思い出です。
昔はこういうの、普通に家の中でのことだったんですよねぇ。
Commented by mamaさん at 2010-10-25 10:11 x
祖父母を自宅で看取ったので、死は生活の場にありました。
幼い頃なのですんなり受け入れて生の延長は死ぬることやオボロゲに納得したよ。
佐野洋子さんて知りません。わたしだけ??
Commented by hutaba at 2010-10-25 10:50 x
もの言わぬ見物人になっていますが 
ここで あっ!と声を出してしまいます。
佐野洋子の本は読むと元気が出るので時々読み直します。
シズコさんは衝撃でした。
でも洋子さんもシズコさんも
たくましくて がっつり自分の力で生きていてかっこいいなぁと。
わたくし春にあれよあれよと仕事場離れる展開になり凹みまくりましたが
その時2度3度読み直し「へっ私って軟弱なやつ!」
と開き直ることができましたっけ。

ブログ放ってしまったのでコメント遠慮していました、
今回はご勘弁を。
Commented by Kcouscous at 2010-10-25 15:48
確かにシズコさんはおもしろいひとだけど、自分の母親だったらたまらないなあと思います。まあどんな母親でも、たいてい娘にはたまらないんですが。
佐野洋子はこの本を書いてやっと母親と和解できた、自分の精神科的治療になったと言ってましたね。あのひとは「悪女の深情け」そのものですもんね。
↑写真の針仕事、渋ゴージャスでシックなカンジ。何になるんでしょう?
Commented by midori at 2010-10-25 23:10 x
さる高名な詩人と結婚してらした佐野洋子さんの講演会へいったことありますが、たいへんシャイな人でした。
うす桃色の着物を着てたいへんドキドキしてあるのがこちらにも伝わってきました。
「自分からは話せないので質問をしてください。そしたら答えます」ということでした。質問にひとつひとつぶっきらぼうだけど、ていねいに答えてあったことを思い出します。(ブログないので、m-m)
母を嫌いというのは、わかります。・・・でも、愛されたいんです。還暦過ぎで、母ももう亡くなりましたが。
Commented by at 2010-10-26 04:15 x
あの童話が、本当の意味で腑に落ちるのは、大人になってからでした。
普段、強くありたいと思いながら、へなちょこな自分にウンザリ。
強いヒトに憧れたりしますが、強いヒトも、キャパがある分、より多くの困難を抱えてしまうのかも知れません。
いずれにせよ、堤防が壊れないように、放水しながら過ごしたいものです。

去年亡くなった祖母は、産婆だったので、私は家で生まれました。
死も生も生活と一緒にありました。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 07:36
★keroさん なんだか、八墓村みたいな雰囲気で、ちびkero さんは怖かっただろね^^
病気になったからといって、そうそう医者にもかからなかったし、入院なんてのもするようになったのも、そう古い事でもないね。
今思うとかえってそのほうが自然に枯れていけてよかったのかも。
病院のベッドでチューブだらけになって延命されるよりよか。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 07:39
★mamaさん 自然にそういうことを理解しましたね。
今の清潔過剰反応してる人達をみると、そういうもんじゃなかろう、とか、なんだか危ういものを感じてしまいます。
佐野洋子は知らん人は知らんでしょう。
私も前に一冊借りて読んだはずなんだけど、印象にそう残ってなくて、、最近のは親がらみのお話が多いようなので参考になりました。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 07:45
★futabaさん あれま、懐かしい!ブログおやすみでしたね。
佐野洋子さん、たくましいね。読むと元気が出るという評が多いね。
いろいろお互い凹むこともあるけどがんばろうね。
最近若い人って弱くなってるのかなと思う。
昨日も寝る前に気の毒なニュースみてしまいうつうつしたけど、
なんていうのかな、、
わかるんだけど、ひょっとしたら違うんじゃないソレ、って気もするんだよなぁ。。
たくましさってのも身につけないとね。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 07:52
★kcouscousさん  やっぱり側におられるとたいへんでしょうね^^ただ、わかりやすい人だなと思いました。
お父さんが亡くなったとき、弟さんの日記に一行だけ「父さん、死んでくれてありがとう」と書かれて広げられたまま机の上に置かれていた、というあたりも、すさまじい家族でしたね。

この布ものは、小さい手提げ袋なんですが、かなり使い込んで刺繍の糸なんかもほつれてるんですよ。
また機会があれば登場させますね。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 08:00
★midoriさん 講演会に行かれたのですか、シャイ、そうなんですか、そういう一面もある方なんですね。
じつはそう馴染みがない作家さんでお顔の写真も見たことないんですが、文章から受けるとおりぶっきらぼうな言い方をされるんですね。
この本の中に自分は声がだれと話す時も変わらず、猫と話す時でさえ猫なで声が出ないのだって書かれていて、正直な方なんだなと思いました。

嫌いとか未だにこの歳になってまで騒いでるのは結局裏返しの感情があるんですね。でもそれは、まったく期待してはいけないのです。
それでも、なにか内なる心が蠢くんでしょうね。で、怒れてしまうのです。
Commented by daikatoti at 2010-10-26 08:06
★頼さん 実際講演会でシャイな印象をうけたというコメントをいただきましたが、ほんとうは繊細な人なんでしょうね。それの照れ隠しにわざとぶっきらぼうな文をかいたり態度をとったり、何だかわかる^^

あの童話は深いですね(ってちゃんと最初から最後まで読んでないでこんなこと云うのもなんですが)
大人の読む本かもですね。

産婆さん、そうでしたか、まさに生も死も一緒にあったんですね。
Commented by pinecone_la at 2010-10-26 08:26
デニム(かな?)のコラージュを見て、ジュピターが浮かびました。
100万回…の話を読みながら、頭の中では「地球ネコ」の歌が
ぐるぐるしました。
生と死と親と子と宇宙と手仕事の作品と。
バラバラなのになんかリンクしてしまった。
ここに来ると、自分の思考がより深く引き出されるみたいで不思議。
(何言ってるんでしょうね?)

今日こそお天気回復するといいですね。
近所じゅうに飛び散ったぬれ落ち葉を掃くの、四苦八苦で大変です。

Commented by daikatoti at 2010-10-26 08:35
★pineconeさん 西の方は青空になってきましたよ。さっきパァッと光が射してきたんだけどな。北風が吹いてきていよいよ寒くなりそう。

これデニムじゃなくて、黒い帯の古いのを使ったんですよ。
手触りがすごくいいの。
まぁ何いってんのか解んないし、深く追求しないことにしておきましょう(笑
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