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2010年 10月 25日 ( 1 )

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佐野洋子の「100万回生きたねこ」という童話はいつか手元に揃えておきたい本だ。
本屋で立ち読みしたり、教育テレビで朗読していたのを聞いたりしてだいたいのストーリーは知っているのだ。
何回も何回もむごたらしく死んでいく猫だが何度でも生き返って懲りずに死んでいく。
最後にもう生き返らなくてもよいと納得していくのだが、そのへんのくだりにいたく共鳴する。
人間って(いや、猫か)一番大切なのはやはりそのあたりだ。

今回、介護の絡みで「シズコさん」という本を読んでみた。シズコさんとは洋子さんのお母さんの名である。
4歳の時におかあさんと手をつなごうと差し出した手を「ちっ」と払いのけたというおかあさんである。
どんなひどいお母さんなのだろうと楽しみに読んでみたが、おもしろいお母さんだった。
「ちっ」と払いのけるなんて解りやすくていいではないか。それにすごい生命力のようなものも感じた。

それよりも、7人いた兄弟が3人もばたばたと死んでいったということのほうが、私の産まれた頃の時代の出来事ではあるが、そういうことは昔は普通だったのだということに改めて感慨を受けた。
特に洋子さんがお世話係を務めていた2歳の弟が、オタマジャクシをうれしそうにとって喜んでいた2日後にはもう冷たい屍になってた、なんていう下りは、元気にじゃれていた子猫が夕方には冷たい屍となる、という経験など思い出してしまう。
人の命というのはしぶといけど、あっけなくもあるのだ。
19才で家族4人が死に、それも昔のことゆえみな自宅で死んでいる。
死というものが身近にあった時代だった。

佐野洋子はたくましい人だ。
知人にtotiさんって佐野洋子に似てない?なんて云われたこともあるが、私はこんなにたくましくもないし、頭もよくない。ただ、物事をズバズバ遠慮なく云うという部分だけ少し似ているかもしれない。